※この記事は、Tumblrで私が書いていた澤本洋介のblog(2013/6/28)の記事に加筆修正し転載したものです。
今年の高知県嶺北地方は梅の実が豊作のようです。
私もお客様やお友達から沢山の梅をいただき、梅酒や梅干し作りに取り組んでいます。
青梅はそのままでは毒ですが、加工することによって、安全に美味しく食べられるようになります。昔の人の知恵は凄いですね。
参考 梅には毒があると聞いていますが、梅干しや梅酒は大丈夫ですか。(農林水産省)
子ども達には梅シロップを作っていますが、消毒と衛生管理についてはとても気をつけています。
最近は酵素ブームということで、手づくり梅酵素ジュースというものが流行っているそうです。色々な作り方があるようですが、ざっとネット検索したところ、不衛生で危険なものも多く見られました。
酵素ジュースの作り方を紹介しているWebサイトの多くでは、梅と砂糖を素手で混ぜる方法を紹介しています。私はこの方法はとても危険だと思います。手の常在菌により自分の体に適した酵素ジュースができるとのことですが、常在菌による食中毒もあります。特に、手の怪我が多く、手洗いが難しい幼児に行なわせることはの非常に危険だと私は考えます。手を洗わずに混ぜるとさらに良いという主張もあるようですが、大変危険だと思っています。
ネット上で、酵素ジュースの感想を読むと、下痢症状をおこしたという報告も見られます。酵素により体の毒素が排出される「好転反応」と解釈しておられる方が多いようですが、すぐに飲むのを止めるべきです。
私は「好転反応」という言葉を聞くと、鍼灸師として忸怩たる思いになります。「好転反応」という言葉は東洋医学では施術後の体調不良を「体が治る過程の一時的な反応」という意味で使われてきました。私は安全を第一に考えるなら、鍼灸師は「好転反応」や「瞑眩」という言葉を使うべきではないと思います。
酵素ジュースの問題に限らず、清潔が当たり前の日本では、食の安全を考えるときに衛生管理は盲点なのかもしれません。
体に悪い食品の代表格のようなイメージが持たれているコカ・コーラについて、以前ラジオで面白い話を聞いたことがあります。
不衛生な国を歩く旅人たちの間では、お腹を下したときは、瓶や缶のコカ・コーラを飲むと良いと言われているそうです。下痢で苦しんでいる時に炭酸やカフェインが良いとは私には思えなかったのですが、理由を聞いて眼から鱗でした。
不衛生な環境の中では、コカ・コーラは安心して飲める「清潔な水分と糖分」なのだそうです。たしかに、コカ・コーラは世界で最も清潔で安全な砂糖水のひとつです。
衛生管理は食の安全の基本だと私は思います。
保存料は嫌われがちですが、それにより救われた命はきっと多くあるでしょう。
参考 保存料の有用性>微生物をおさえることの大切さ(上野製薬)
いつまでも腐らないハンバーガーは気味が悪くも感じますが、手作りおにぎりとどちらが安全なのかは、その状況ごとに変わるのだろうと思います。
そろそろ高知は梅雨明けですが、夏も食中毒に要注意です。
安全なものを美味しく食べるために、私も気をつけたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。